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PhotoBlog:37 真木神社

Photo No.37 真木神社/撮影地 福岡県 久留米市 瀬下町

水天宮総本宮の境内には4社の境内神社があるのですが、その内の1社が前回紹介しました久留米藩の攘夷志士真木和泉守保臣を祀っている神社、真木神社であります⛩️

真木神社には真木保臣の他にも、天保学連の門下生や天王山にて真木保臣の一派に着いた志士たちも祀られておりまして、明記はされていないのですが、真木保臣らの慰霊の意味が込められて造営された神社であるのではないかと私は思いました。(なお、墓標につきましては京都府に十七烈士の墓として残っているそうです)

このような立派な神社が後世に建てられるほどの人物、真木保臣の後半生と最期とは一体どのようなものだったのでしょうか……

真木保臣は自らの派閥を形成し、久留米藩の藩政改革を進言しますがこれに失敗。その代償として蟄居を命じられ、10年の間久留米を離れ、幽閉生活を送っておりました。

しかし明日には情勢が変わるような幕末において、10年間という月日はあまりにも長く、その間にも浦賀には黒船が来航し、長きに渡って限定貿易を続けてきた幕府はついに開国を余儀なくされ、その開国を取り付けた井伊直弼も桜田門外の変で暗殺されると、より力を失った幕府は朝廷に歩み寄り、13代将軍徳川家茂と和宮の婚姻を元に、公武合体を推し進めている最中でございました。

1862年(文久2年)についに幽閉生活を脱し、その間尊王の志をより強くしていた真木保臣は早速薩摩の大久保一蔵(後の大久保利通)らに接近し、島津久光の上洛を計画して、共に京へと上りました。

当時京都には名高る攘夷志士が各地より集結しており、真木保臣はそれらと接近して攘夷活動をより活発に行っていたのですが、伏見の旅館、寺田屋で会合をしている最中、突如島津久光に上意討ちを命じられた薩摩藩士たちが現れ、寺田屋にいた志士たちを一気に鎮圧され、多くの志士は投降しました。(これが寺田屋騒動です。坂本龍馬が襲撃された事件とは異なります)

その結果、真木保臣は久留米藩に引き渡され、再度幽閉される……はずだったのですが、なんと真木保臣は久留米藩を脱し、今度は長州藩に接近していったのです。

その後長州内で活動を行った真木保臣は長州藩主に進言を行い、この具申が通るほどに力を得ていきますが、尊王攘夷をより促進させるため偽勅の乱発を行うこととなり、これらの攘夷派の過激な活動を知った孝明天皇は大そう怒って尊攘派を非難し、更に生麦事件などの対外情勢も相まって佐幕派の支持力が京都内で急増したのです。

そこで佐幕派によって尊攘派公家と長州藩を追放するクーデター事件、八月十八日の政変が起き、真木保臣らは七卿と共に京都を追放され、長州へと逃れたのでした。

そこから長州並びに尊攘派の力に陰りが見えてくるのですが、それらのヘイトが募った尊攘派は最後の抵抗を行うべく再び京都へと集結すると、天皇のお座す御所へと襲撃し、天皇を囲んで佐幕派の追放を目論見ますが、蛤御門、堺町御門にて、禁裏御守衛総督である一橋慶喜(後の徳川慶喜)率いる佐幕派連合がこれを破らんとせんと防衛線を敷き、ついに両者は武力衝突を引き起こしました。
この武力衝突こそが、禁門の変なのでございます。

真木保臣は禁門の変の中で尊攘派の主戦派として参加し、その戦いは京都の町を燃やし尽くしてしまうかの如く苛烈を極めたのですが、しかし結果は尊攘派の惨敗。

京都を追われた真木保臣ら一派は逃走し、天王山に立て籠って抵抗を続けますが、会津藩や新選組の追撃を受けて陥落。

最期は同志16名と共に爆死自刃を選び、命を絶ったのでございました……

以上が真木保臣の後半生と最期でございました。

まさに人生全てを賭けて国のことを憂い、この後に訪れる文明開化の種を撒いた人物の一人だったのではないでしょうか?

ちなみに真木保臣は湊川神社を始めとする郷土の偉人などを顕彰する人物顕彰神社の創建や、靖国神社などの招魂社の成立にも大きな影響を与えたそうです。

長くなってしまいましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました!🙇

撮影地

使用機材

Camera: OM-5【OM SYSTEM】

Lens: LEICA DG SUMMILUX 9mm F1.7 ASPH. H-X09【Panasonic】

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